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【5選】札幌圏の一極集中が止まらない理由【日本の縮図】

一極集中が問題視される日本において、北海道はまさにその典型例です。

札幌市への一極集中が続き、道内の人口減少によって、地方都市との相対的な格差は広がるばかりです。

この記事では、なぜ一極集中は止まらないのか?について考えます。

それではいきましょう!

①地方の代表都市と札幌市に、人口差がありすぎる

都市のパワー示す重要項目の一つに、人口があります。

札幌市の人口196万人に対して、地方を代表する都市の人口は以下の通りです。

・旭川市 33万人

・函館市 25万人

・帯広市 17万人

・釧路市 17万人

・北見市 11万人

(2020年 現在)

1位の札幌と2位の旭川に、6倍も差がある

これが正直な感想です。なお、地方都市の選定は、北海道6分割を用いました。

これだけ人口差がありますから、すでに政治・経済・文化の中心地となっている札幌には、今後も人が集まり続けると考えられます。

また、北海道の人口ランキングは以下のリンクにまとめておりますので、ご覧ただければと思います。

https://www.tokaikan-hkd.com/hokkaido-2020/

1.都市の「知名度」と「人口」が一致していない

そもそも北海道の特徴として、

都市の「知名度」と「人口」が一致していない

ということがあげられます。

具体例を挙げてみますと、

「最北端の地」で有名な稚内市3.4万人

「最東端の地」で有名な根室市2.7万人

「刑務所」で有名な網走市3.5万人

「北の国から」「ラベンダー」で有名な富良野市2.3万人

となっており、地勢・観光で有名だからと言って、必ずしも都市人口が大きいわけではありません。

人口が少なければ、生活面や公共交通で不便が生じる可能性が高まりますので、「たまに訪れるのは良いけれども、定住はしたくない。」という結果につながりやすくなります。

2.広域分散型の都市分布

北海道の地方都市は「広域分散型」の特徴を有しています。

広域分散型というのは「広い地域に都市が点在している」というイメージです。

仮にですが、札幌以外の有力な地方都市が、ものすごく近い距離にあったとしましょう。北海道6分割の代表都市が1ヶ所に集まって、大きな経済圏を創っているイメージです。

(▼イメージ図)

1つの地方都市では札幌に遠く及びませんが、複数の地方都市が近距離に存在し、相互に経済圏を構成していれば、札幌一強に対抗し得る”大きな街”となります(イメージ図の赤で囲われた「地方都市群」の部分)。

5つの代表都市を1か所に集めると人口は103万人に達し、北海道に2つ目の百万都市が出来上がります。もちろんこれはこれで新たな問題が浮上するかもしれませんが、あくまで例えとして伝わればと思います。

実際は、以下のように点在しています。

(▼実際の都市分布)

このように、ただでさえ国土の22%という広大な面積を持つ土地なのに、地方都市間の距離も遠いとあっては、札幌との差は広がるばかりです。

なお、北海道のエリア区分や主要都市につきましては以下のリンクにまとめておりますので、ご覧頂ければと思います。

②大学・企業・医療が札幌圏に集中している

1.人口動態で見る札幌圏の一極集中

北海道はサービス業が多く、就職や転職などで雇用を求めると、企業が多く集まる札幌への移住が必然的に多くなります。

令和3(2021)年の札幌市の人口動態を見てみましょう。その中に年代別の転入者数が掲載されています。それによると他の世代に比べ20代前半で札幌へと転入してきた人の数が圧倒的に多いことがわかります。

また、この前後の年代を含めた若い年代(15~19歳、25~29歳、30~34歳)も転入が多く、この4つの年代で全転入者数に占める割合が5割を超えています。

さらに札幌以外の道内からの転入者数を見ても、この4つの年代は他の年代に比べ突出して多く、これは豊富な就業機会を求めて若い人が札幌に集中していることを表しています。

https://www.city.sapporo.jp/toukei/tokusyu/documents/r3dotai.pdf

2.札幌圏には大学が集中している

また、単純に就職・転職を機会に札幌へ移住した人のほか、大学が札幌圏に集中しているため、大学進学とともに札幌へ転居、札幌の居心地の良さや利便性に気づき、そのまま帰省せず札幌市内に就職するケースも考えられます。

北海道には大学・短大が合わせて45校あり、そのうち20校が札幌市内にキャンパスを構えています。

道内の各地方から進学する際、東京などの大都市では人混みが多すぎて困る人や不安を覚える人でも、札幌であれば地元とは地続きであり、気候・風土が変わらないという安心感があるうえ、適度な都会でもあるため、進学とともに転居するには好都合な都市なのかもしれません。

進学を伴うケースの場合、進学時には住民票の移動を行わず、就職とともに住民票を移す人もいると考えられ、実態を把握することは難しいですが、数字となって現れている以上に若者の札幌への集中は進んでいると考えて良いでしょう。

https://passnavi.evidus.com/search_univ/list/pre_01/

3.福祉や介護、一般診療数から札幌圏の一極集中を考える

充実した福祉、高度な医療サービスを受けるためには、札幌に行かねばならぬことも多く、少子高齢化がそれに拍車をかけています。

先ほどの札幌市の人口動態を見ると、札幌への転入者数は20代前半をピークに70代までの各年代で減少が続いていますが、80代では一転して増加しています。

さらに特徴的なのは、道内からの移住が大部分を占めています。これは高齢になるとともに、健康面や介護・福祉の面で不安を感じ、医療・介護・福祉関連の施設が充実している札幌へ移住を決断する高齢者が増えていると推察できます。

実際に札幌市の人口10万人あたりの一般診療所数は、北海道全体のそれに比べ多くなっています。

こうした高齢になってから札幌へ移住する人たちの中には、子や孫の世代が札幌で生活の基盤を築いており、そうした親類を頼って移住を決断する高齢者もいるかもしれません。

https://jmap.jp/cities/detail/pref/1

③札幌圏内のみで、活動が完結してしまう

都市規模に差がありすぎると、札幌圏の住人が、地方都市に行くメリットが少なくなります。

まず、大きなショッピングセンターや、自然を感じる公園・観光地は札幌近郊にたくさんあります。

加えて、北海道がでかすぎて、日帰り圏内に地方都市が入りづらいです。

どれだけ札幌の人口が多くても、

経済的な交流が「札幌圏内のみ」で終わってしまっては、地方経済は廃れる一方

です。

④地方都市との距離が遠すぎる

札幌から車で地方都市へ移動した場合、距離と時間は下図のようになります。

(条件:車/一般道/距離はおおよその値/起点終点は各役所、出典:GoogleMap)

このように、札幌から各主要都市へ移動した場合、一番近い旭川ですら片道2時間半以上かかります。

「ちょっと隣町に出かけよう!」なんて感覚では、間違いなくプランが破綻するのでご注意願います。

私が勝手に提唱しているのは、「北海道旅行は、1日1ヵ所!」です。

親戚や友達が地方にいるならまだしも、ここまで遠いと、札幌市民は札幌圏の中だけで事を完結させたいので、地方都市に行かないと考えられます。

⑤都会的な暮らしが実現できるのは、ほとんど札幌だけ

良いか悪いかは置いときまして、都会的な生活に憧れを抱く人は一定数いるかと思います。

通勤通学に地下鉄JRを使ったり、その途中で待ち時間にカフェやショッピングセンターで時間をつぶしたり、いわゆる、

車を使わないライフスタイル

が可能なのは、ほぼ札幌だけです。

1.公共交通の本数に差がありすぎる

特に札幌圏の中でも、市電・地下鉄・札幌市内JR沿線に住まう人は、列車本数が充実していることから、公共交通の時間を気にせず生活することができます。

田舎に行くと、電車やバスが1時間に1、2本とかザラです。むしろ何時間に1本、1日に何本、などという世界です。

これが地下鉄になると、7.8分に一本は確実にあります(朝夕のラッシュ時はもっと過密で4分に1本程度)。JRでも札幌圏では最低毎時4本、中心部の駅では最大で毎時10本以上あります。

また地方に目をやれば、近年では、旭川・函館・帯広駅前がかなり整備されました。宗谷線と石北線が重なる旭川~新旭川間、北海道新幹線開業に合わせて電車が整備された函館~新函館北斗間、さらに函館市電エリアであれば、なんとか都会的な暮らしができなくもありませんが、やはり地方に車は必須だと考えます。

公共交通の利便性1つとっても札幌は桁違いです。

2.駅周辺のアクセスに差がありすぎる

都会的な暮らしに生活にあこがれて札幌圏に移住すると、地方とは全く違う駅前に驚かされます。

まず、駅直結・併設されたマンションに住めば、雪はねをしなくても良いので非常に便利です。

道民にとって雪の影響を受けずに生活できるのは、かなりのステータス

になります。

加えて、駅から直結でショッピングモールにつながっていたり、空中歩廊で様々な施設に直結しているのも、ほぼ札幌圏でしかみられません。

地方の代表駅をもってしても、都会的な暮らしで言えば、ようやく札幌圏の下位クラス駅と互角、という印象です。

地方の駅前となると、主要駅はまだいいものの、駅前がシャッター街になっていたり、最寄りの商業施設が徒歩圏内にないなど、完全に車社会になってしまった場所がいくつもあります。

このように、札幌圏と地方とでは街の広がりに格差があるため、札幌圏の一極集中はとどまるところを知らないと考えます。

まとめ

精読お疲れさまでした!まとめると、

・地方の代表都市と札幌市に、人口差がありすぎる

・大学・企業・医療が札幌圏に集中している

・札幌圏内のみで、活動が完結してしまう

・地方都市との距離が遠すぎる

・都会的な暮らしが実現できるのは、ほとんど札幌だけ

となります。

これらは一極集中の可否・対応策ではなく、あくまで理由についての考察ですのでご留意願います。

当ブログでは他にも北海道をテーマとした記事を書いておりますので、良ければ読んでいただけると嬉しいです!

以上!ありがとうございました。